1級建築士スワイプ法規の解説試験に出る作品

建築基準法|防火・避難

防火区画とは?
4種類を1枚の図で

防火区画は、火と煙を建物の一部に閉じ込めるために、床・壁と防火設備(防火戸・防火シャッター)で建物の中を仕切ること。建築基準法施行令112条が、面積区画・高層区画・竪穴区画・異種用途区画の4種類を決めています。

5〜9階は省略1F2F3F4F10F11F12F②高層区画100㎡ごと③竪穴区画階段・吹抜け①面積区画1,500㎡ごと④異種用途区画車庫・店舗・事務所の境④④
4種類の区画を1棟に描いた模式図(実際の設計例ではありません)。赤は区画の壁・床と防火戸。1〜3階が店舗、4階から上が事務所

4種類の早見表

種類区画する単位床・壁/出入口
① 面積区画1,500㎡以内ごと法律で準耐火建築物にする建物は500㎡・1,000㎡1時間準耐火の準耐火構造特定防火設備
② 高層区画11階以上を100㎡以内ごと内装しだいで200㎡・500㎡耐火構造防火設備(200㎡・500㎡は特定防火設備)
③ 竪穴区画階段・吹抜け・EV・ダクトスペースを囲う準耐火構造防火設備(遮煙・煙で閉まる)
④ 異種用途区画法27条の用途の部分と、ほかの部分の間1時間準耐火の準耐火構造特定防火設備(遮煙・煙で閉まる)

根拠:建築基準法施行令112条(①1・4・5項、②7〜10項、③11〜15項、④18項、出入口19項)

スプリンクラーで2倍までスプリンクラーなど自動式の消火設備を付けた部分は、床面積の2分の1を除いて数えます。①面積区画にも②高層区画にも効くので、全体に付ければ1,500㎡は3,000㎡、100㎡は200㎡まで広がります。

見分け方①と②は広さで区切って、火事を大きくしない。③は階段・吹抜けなど縦の空間を囲って、火と煙が上の階へのぼるのを止める。④は使い方の違う部分の間(車庫と店舗など)で止める。

① 面積区画:1,500㎡ごと

主要構造部を耐火構造・準耐火構造にした建物(耐火建築物・準耐火建築物など)で延べ面積が1,500㎡を超えるものは、床面積1,500㎡以内ごとに区画します。区画の床・壁は1時間準耐火基準の準耐火構造、出入口は特定防火設備です。

建物区画の大きさ
耐火建築物・準耐火建築物1,500㎡
法律で準耐火建築物などにした建物主要構造部が1時間準耐火基準など1,000㎡
法律で準耐火建築物などにした建物上以外500㎡防火上主要な間仕切壁も準耐火構造にして、小屋裏・天井裏まで立ち上げる

「法律で」=建築基準法21条・27条・61条・67条で、準耐火建築物(またはそれと同じ性能)にしなければならない建物。

  • 区画しなくてよい部分:劇場・映画館などの客席、体育館、工場など、用途の上で仕切れない部分。階段室とエレベーターの昇降路(乗降ロビーを含む)を1時間準耐火の床・壁か特定防火設備で区画した部分(この区画の扉は、煙で閉まる遮煙型にする)。
  • 500㎡・1,000㎡の区画では:劇場などの客席は外せません。体育館・工場なども、壁と天井の仕上げを準不燃材料にした場合だけ外せます。

② 高層区画:11階以上は100㎡ごと

建物の11階以上の部分は、床面積100㎡以内ごとに、耐火構造の床・壁か防火設備で区画します。はしご車が届きにくく、外からの消火や救助が難しい高さなので、面積区画よりずっと小さく仕切ります。

壁・天井の内装区画の大きさ出入口
制限なし100㎡防火設備
準不燃材料仕上げと下地とも200㎡特定防火設備
不燃材料仕上げと下地とも500㎡特定防火設備

内装の壁は、床から1.2m以下の部分を除く。仕上げと下地を準不燃・不燃材料にする代わりに、告示で定める同じ程度の措置でもよい(2025年11月から)。区画を広げると、出入口は特定防火設備(1時間)に格上げになる。

  • 区画しなくてよい部分:階段室、エレベーターの昇降路(乗降ロビーを含む)、廊下など避難に使う部分、床面積200㎡以内の共同住宅の住戸。どれも耐火構造の床・壁と防火設備で区画してあることが条件で、その防火設備は煙で閉まる遮煙型にします。
  • 「11階以上の部分」:建物の高さではなく、階で決まります。10階までの階は、この区画の対象外です(図の10階に区画が無いのはそのため)。

③ 竪穴区画:階段・吹抜けを囲う

主要構造部を準耐火構造(耐火構造を含む)にした建物で、地階または3階以上の階に居室があるものは、階段・吹抜け・エレベーターの昇降路・ダクトスペース・メゾネット住戸など縦につながる部分を、準耐火構造の床・壁と防火設備でほかの部分から区画します。煙は上へ速くのぼるので、出入口の防火設備には遮煙性能と、煙を感じて自動で閉まる仕組みが要ります。

  • 区画しなくてよい部分:避難階からすぐ上かすぐ下の階だけに通じる吹抜け・階段で、壁・天井の仕上げと下地を不燃材料にしたもの。階数3以下・延べ面積200㎡以内の一戸建て住宅(長屋・共同住宅の住戸も、階数3以下・200㎡以内なら同じ)の階段・吹抜けなど。
  • 小さな3階建て(延べ面積200㎡未満で、3階を使う建物):3階が病院・診療所(入院できるもの)・児童福祉施設等(入所する人の寝室があるもの)なら、間仕切壁と防火設備で区画(居室などにスプリンクラーがあれば10分間防火設備でよい)。3階がホテル・共同住宅・寄宿舎などなら、間仕切壁と戸(ふすま・障子は不可)で区画。

④ 異種用途区画:使い方の違う部分の間

建物の一部が、建築基準法27条で耐火・準耐火建築物にしなければならない用途と規模に当たるとき(例:床面積150㎡以上の自動車車庫、3階以上の階を使う物品販売店舗)、その部分とほかの部分を、1時間準耐火の準耐火構造の床・壁か特定防火設備で区画します。出入口の特定防火設備には、竪穴区画と同じく遮煙性能と、煙で自動に閉まる仕組みが要ります。

なぜ要るか車庫や劇場など使い方の違う部分は、人のいる時間も火の出方も違います。火事に気づくのが遅れた部分から、ほかの部分へ火と煙が回らないように仕切ります。

  • 自動火災報知設備で代えられる場合:ホテル・旅館・飲食店・物品販売店舗・通所だけの児童福祉施設等の部分に限り、同じ階のほかの部分との間は、自動火災報知設備を設けるなどの基準に合えば区画しなくてよい。上下の階との床の区画は残り、自動車車庫・倉庫・劇場・病院などは対象外です(令和2年国土交通省告示250号)。
  • 例:1〜3階が物品販売店舗、4階から上が事務所なら、3階と4階の間の床で区画が要ります(3階以上を店舗に使うと法27条に当たるため)。

区画の出入口:防火設備とくぐり戸

区画の床・壁に開ける出入口には、防火戸や防火シャッターを付けます。特定防火設備は火を1時間、防火設備は20分止めるもの。どちらが要るかは区画の種類で決まります(上の早見表)。

くぐり戸煙感知器 → 自動で閉まる幅 75cm以上高さ1.8m以上床からの下端15cm以下
避難の通路に付ける防火シャッターのくぐり戸。寸法は昭和48年建設省告示2563号(遮煙型を定める2564号も、2563号の構造方法を引いている)
  • 閉まり方:普段から閉まっている(常時閉鎖)か、火事のとき自動で閉まる(随時閉鎖)か。面積区画・高層区画は煙か熱で、竪穴区画・異種用途区画と、区画を外すために階段室などを囲う区画は、煙で閉まる遮煙型にします。
  • 常時閉鎖式の防火戸:面積3㎡以内で、手で直接開けられ、自動で閉まるもの。
  • くぐり戸:居室から地上へ通じる主な廊下・階段などに随時閉鎖式の防火設備(防火シャッターなど)を付けるときは、幅75cm以上・高さ1.8m以上・床からの下端15cm以下の、手で開けられて自動で閉まる部分を設けます。シャッターが閉まっても避難できるようにするためで、すぐ近くに常時閉鎖式の防火戸があれば不要です。

区画に接する外壁:90cm以上か、ひさし50cm以上

区画の床や壁が外壁にぶつかる所では、火が窓から外へ出て、外壁をまわって隣の区画(上の階)へ入ることがあります。そこで、区画に接する部分を含む幅90cm以上の外壁を準耐火構造にします。

上の階下の階(火事)区画に接する外壁を90cm以上上の階下の階(火事)または ひさし・袖壁などを50cm以上 出す準耐火構造に
区画に接する外壁。左:帯で離す(90cm以上)。右:ひさし・床・袖壁などで遮る(50cm以上突き出す)
  • ひさしで代える:外壁から50cm以上突き出した準耐火構造のひさし・床・袖壁などで遮れば、90cmの外壁は要りません。
  • 90cmの部分に窓があるとき:その窓に防火設備を付けます。
  • 対象の区画:面積区画・高層区画・竪穴区画の床・壁に接する外壁(令112条16項)。異種用途区画は対象に入っていません。

配管・ダクトが区画を貫通するとき

  • 給水管・配電管など:管と区画のすき間を、モルタルなどの不燃材料で埋めます。管そのものも、貫通する部分とその両側1m以内を不燃材料にするのが基本です(ほかに、管の外径で決める方法・大臣認定の工法がある。1時間準耐火の床・壁か特定防火設備で囲ったパイプシャフトの中の部分は除く)。
  • 換気・冷暖房の風道(ダクト):貫通する部分かその近くに、煙か熱で自動に閉まり、遮煙性能のある防火ダンパー(特定防火設備・防火設備)を付けます。

根拠:建築基準法施行令112条20項・21項、129条の2の4

一級建築士の試験ではこう出る

  • 11階以上の区画は100㎡以内ごと(内装に制限をかけず、スプリンクラーも無い場合)201520162019
  • 200㎡ごとでよいのは内装(仕上げ・下地)が準不燃材料のとき。「難燃材料で200㎡」は誤り2022
  • 区画に接する外壁は90cm以上を準耐火構造に2020。ひさし・袖壁なら50cm以上の突き出し20162020
  • 竪穴区画がいらない住宅・住戸は、階数3以下・延べ面積(住戸は床面積の合計)200㎡以内20182020
  • 区画を貫通する給水管などは、両側1m以内を不燃材料に201620192026
  • 自動車車庫の異種用途区画は150㎡以上から。「130㎡で区画」は誤り2019
  • 同じ階の物品販売店舗と飲食店の間は、自動火災報知設備で異種用途区画に代えられる2024
  • 防火区画検証法(区画の床・壁・防火設備が火事に耐える時間を計算で確かめる方法)で想定するのは屋内の火災。「建物の周囲の火災も」は誤り2021

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11階以上の部分の防火区画(内装に制限をかけず、スプリンクラーも無い場合)は、床面積の合計何㎡以内ごと?

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防火区画に接する外壁で、準耐火構造にする部分の幅は?

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防火シャッターのくぐり戸の、床から下端までの高さは?

法規の数字を、
スワイプで覚える

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出典:建築基準法施行令(e-Gov法令検索) 112条・129条の2の4、昭和48年建設省告示2563号(国土交通省)、一級建築士試験の過去問。このページは条文の要点をまとめたものです。実際の設計では、条文と所管の行政庁の取り扱いを確かめてください。
更新:2026年10月25日

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