1級建築士スワイプ法規の解説試験に出る作品

建築基準法|避難施設

非常用の進入口
要る階と、寸法・間隔の数字

非常用の進入口は、火事のとき外から各階に入って消火するための入口です。高さ31m以下の部分にある3階以上の階に、道か、道に通じる幅4m以上の通路・空地に面する外壁へ、40m以下の間隔で設けます(建築基準法施行令126条の6・126条の7)。大きさは幅75cm以上・高さ1.2m以上、下端は床から80cm以下。非常用エレベーターを設けた建物や、壁面の長さ10m以内ごとに代わりの窓がある階には要りません。

1F2F3F4F5F6F7F8F9F10F高さ31mここより上は不要1要る階3階以上1・2階は不要間隔40m以下道 または 道に通じる幅4m以上の通路・空地
道に面した外壁を斜めから見た模式図(実際の設計例ではありません)。赤い窓とバルコニーが非常用の進入口。8階の天井を高さ31mとして描いています

進入口と代わりの窓の早見表

どちらも、道か、道に通じる幅4m以上の通路その他の空地に面する各階の外壁面に設けます。代わりの窓は数を多くする代わりに、バルコニーや赤色灯の決まりがありません。

非常用の進入口代わりの窓
並べ方間隔40m以下壁面の長さ10m以内ごと
大きさ幅75cm以上・高さ1.2m以上直径1m以上の円が入るまたは幅75cm以上・高さ1.2m以上
下端の高さ床から80cm以下決まりなし
バルコニー奥行1m以上・長さ4m以上決まりなし
赤色灯・表示赤色灯と赤色の表示表示は一辺20cmの赤い正三角形決まりなし
開き方外から開けるか、壊して入れる格子など外からの進入を妨げるものを付けない

根拠:建築基準法施行令126条の6第2号(代わりの窓)、126条の7第1〜7号(進入口)、昭和45年建設省告示1831号(赤色灯・表示)

進入口が要る階

要るのは、建物の高さ31m以下の部分にある3階以上の階です。1階・2階と地階、高さ31mを超える部分だけにある階には要りません(施行令126条の6)。

次の階も除かれます。ただし条文は「〜の階で、その直上階又は直下階から進入することができるもの」と書いていて、上か下の階から入れることが条件です。

  • 火災のおそれの少ない用途の階:不燃性の物品の保管など
  • 屋外からの進入を防ぐ必要がある階(平成12年建設省告示1438号):
    ①放射性物質・有害ガスなどの有害物質、細菌・病原菌など、爆発物を取り扱う建築物と変電所で、その階に進入口を設けると周囲に著しい危害を及ぼすおそれがあるもの
    ②冷蔵倉庫、留置所・拘置所など人を拘禁する用途、美術品収蔵庫・金庫室など、無響室・電磁しゃへい室・無菌室などで、進入口を設けると目的が果たせない階(階の一部がこの用途のときは、残りの部分を1つの階とみなして126条の6・126条の7に適合するものに限る)

31mが境目 高さ31mを超える建築物には、原則として非常用エレベーターを設けなければなりません(建築基準法34条2項。除かれる建物は施行令129条の13の2)。31mより上へは、外からではなく非常用エレベーターで上がる仕組みです。

進入口が要らない場合

3階以上・31m以下の階でも、次のどれかに当てはまれば進入口は要りません(施行令126条の6ただし書)。

  • 1号 非常用エレベーター:施行令129条の13の3に適合するエレベーターを設けている。31m以下の階を含めて、進入口が要らなくなります
  • 2号 代わりの窓:各階の外壁面に、決まった大きさの窓などを壁面の長さ10m以内ごとに設けている(下で説明)
  • 3号 吹抜きの大きな空間:吹抜きなどの空間を確保し、そこから各階に容易に入れる開放的な通路などを設けている(空間は平成28年国土交通省告示786号の第一、通路などは同告示の第二か大臣の認定)

3号の告示786号の中身は次のとおりです。告示の通路などの決まりは観覧場の用途の建築物に設けたものに限られます(ほかは大臣の認定による)。

  • 空間:吹抜きが屋根まで達するか頂部が外気に開放され、床か地面に直径40m以上の円が入る。幅・天井までの高さが4m以上で、壁・天井の仕上げが準不燃材料の通路を通って、道か道に通じる幅4m以上の通路などに出られる(避難上・消火上支障がなければ通路の条件は不要)
  • 通路など:空間との間に壁がないか、空間側から開けるか壊して入れる。空間に面して40m以下の間隔で設け、空間の高さ31m以下の部分にある

根拠:建築基準法施行令126条の6第1〜3号、平成28年国土交通省告示786号

進入口1か所(道に面した外壁を外から見る)外から開けるか、壊して入れる幅75cm以上高さ1.2m以上下端(床から)80cm以下赤色灯常に点灯赤い正三角形一辺20cmバルコニー長さ4m以上奥行1m以上
進入口1か所を外から見た模式図(寸法の比は実際に近づけ、赤い三角は大きめに描いています)

進入口の寸法・バルコニー・赤色灯

進入口は次の構造にします(施行令126条の7)。

  • 面する所:道か、道に通じる幅4m以上の通路その他の空地に面する各階の外壁面(1号)
  • 間隔:40m以下(2号)。進入口どうしの間隔の決まりで、「外壁面の長さ40mごと」ではありません。どこからどこまでを測るかは条文に無いので(最初の図は進入口の中心どうしで描いた模式)、所管の行政庁の運用で確かめます
  • 大きさ:幅75cm以上、高さ1.2m以上、下端の床面からの高さ80cm以下(3号)
  • 開き方:外部から開けるか、壊して室内に入れる構造(4号)
  • バルコニー:奥行1m以上・長さ4m以上(5号)
  • 赤色灯と表示:進入口かその近くに、外から見やすいように赤色灯の標識を掲げ、非常用の進入口であることを赤色で表示する(6号)

赤色灯と表示の細かい決まりは告示1831号にあります(7号の基準)。

  • 点灯:常時点灯(フリッカー状態を含む)。一般の人が簡単に電源を切れるスイッチを付けない
  • 予備電源:充電なしで30分間続けて点灯できる容量以上の蓄電池など。常用の電源が切れたら自動で切り替わる
  • 明るさと位置:進入口の前の道や通路などの幅員の中心から、夜に点灯していることがはっきり分かる
  • 大きさ:直径10cm以上の半球が内接する大きさ
  • 表示:赤色反射塗料で、一辺20cmの正三角形

「道から何m以内」の決まりは無い 施行令と告示1831号にあるのは、道か幅4m以上の通路・空地に「面する」外壁に設けること、赤色灯がその幅員の中心から夜に見分けられることです。道からの距離の数字は定められていません。

根拠:建築基準法施行令126条の7第1〜7号、昭和45年建設省告示1831号 第一・第二

代わりの窓(バルコニー・赤色灯は要らない)10m10m10m各階の壁面の長さ10m以内ごとに1つ直径1m以上の円が入るまたは高さ1.2m以上幅75cm以上格子など、外からの進入を妨げるものは付けない
代わりの窓の模式図(実際の設計例ではありません)。上は外壁を斜めから、下は窓の大きさ

代わりの窓(代替進入口)

道か、道に通じる幅4m以上の通路その他の空地に面する各階の外壁面に、次の窓などを壁面の長さ10m以内ごとに設けていれば、進入口は要りません(施行令126条の6第2号)。実務では「代替進入口」と呼ばれます。

  • 大きさ:直径1m以上の円が内接できる、または幅75cm以上・高さ1.2m以上
  • 付けないもの:格子その他の、屋外からの進入を妨げる構造

進入口(126条の7)と違って、条文に下端の高さ・バルコニー・赤色灯の決まりはありません。窓の大きさは何階でも同じです。

根拠:建築基準法施行令126条の6第2号

一級建築士の試験ではこう出る

  • 非常用の進入口の間隔は40m以下。ひっかけ「外壁面の長さ40m以内ごと」は誤り2024
  • 進入口の代わりの窓は、壁面の長さ10m以内ごと201720202022
  • 代わりの窓の大きさは、直径1mの円が内接(または幅75cm×高さ1.2m以上)。対象は高さ31m以下の部分にある3階以上の階で、窓の大きさは階数で変わらない20172020
  • 非常用エレベーターを設けた建物は、3階以上の階に進入口を設けなくてよい。ひっかけ「設けなければならない」は誤り20202026

確かめる

非常用の進入口どうしの間隔は、いちばん広くて何m?

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進入口の代わりになる窓は、壁面の長さ何m以内ごとに設ける?

確かめる

非常用の進入口の下端は、床面からいちばん高くて何cm?

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出典:建築基準法施行令(e-Gov法令検索) 126条の6・126条の7・129条の13の2・129条の13の3、建築基準法34条2項、建築基準法(e-Gov法令検索)、昭和45年建設省告示1831号(国土交通省)、平成12年建設省告示1438号(国土交通省)、平成28年国土交通省告示786号(国土交通省)、一級建築士試験の過去問。このページは条文の要点をまとめたものです。実際の設計では、条文・告示と所管の行政庁の取り扱いを確かめてください。
更新:2026年10月25日

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