1級建築士スワイプ法規の解説試験に出る作品

建築基準法|防火・避難

排煙設備の設置基準と構造
(2025年11月改正対応)

排煙設備は、火事の煙を天井の下にため、外へ出して、逃げる時間を稼ぐ設備。要る建物は建築基準法施行令126条の2、つくり方は126条の3が決めています。2025年11月1日の改正で、排煙に有効な高さが天井の高さ2.6mを境に変わりました。

隣の区画へは煙が回りにくい排煙機防煙区画500㎡以内防煙区画500㎡以内垂れ壁(天井から)50cm以上排煙口まで 30m以内
排煙設備のしくみの模式図(高さは強調して描いています)。垂れ壁で煙を区画にため、開いた排煙口から排煙機で外へ出す

排煙設備が要る建物

次のどれかに当たる建物(の居室など)には、排煙設備を付けます。

建物条件
特殊建築物劇場・病院・ホテル・共同住宅・百貨店・飲食店・図書館など(法別表第一の(1)〜(4)項。学校等は除く)延べ面積500㎡超
階数3以上の建物延べ面積500㎡超高さ31m以下の居室で、100㎡以内ごとに防煙壁で区画したものは除く
排煙上の無窓居室開けられる窓などが床面積の1/50未満壁の窓は有効な高さの部分だけ数える(下の改正の図)。天井の開口は高さに関係なく数える。告示993号の給気口・排気口を設けると、1/50に代えて告示の方法で出した割合で判定できる(2025年11月から)
延べ面積1,000㎡超の建物の居室その居室の床面積が200㎡超高さ31m以下の居室で、100㎡以内ごとに防煙壁で区画したものは除く

根拠:建築基準法施行令126条の2第1項、116条の2第1項2号

排煙設備が要らない建物・部分

  • 病院・ホテル・共同住宅など(法別表第一(2)項):準耐火構造の床・壁と防火設備で区画した部分で、床面積100㎡以内(共同住宅の住戸は200㎡以内)のもの。
  • 学校・体育館など:学校(幼保連携型認定こども園を除く)、体育館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場。
  • 階段・エレベーター:階段の部分、昇降路(乗降ロビーを含む)など。
  • 燃えにくい工場・倉庫:機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫などで、主要構造部が不燃材料のもの(またはそれと同じくらい火事のおそれが少ない構造のもの)。
  • 告示で決まる部分:高さ31m以下の部分にある床面積100㎡以下の居室で、壁・天井の仕上げと下地を不燃材料にしたものなど、避難に困る高さまで煙が下りてこない部分(平成12年建設省告示1436号)。

根拠:建築基準法施行令126条の2第1項ただし書き1〜5号

つくり方の早見表

項目決まり
防煙区画床面積500㎡以内ごとに防煙壁で区画
排煙口までの距離区画のどこからでも、排煙口まで水平距離30m以内
排煙口の高さ(壁に付けるとき)天井の高さ2.6m以下なら天井から80cm以内、2.6m超なら床から1.8m以上いちばん短い防煙壁のたけが80cmより短いときは、そのたけ以内。2.6m超で、いちばん短い防煙壁の下端が1.8mより高いときは、その高さ以上。天井に付けるなら高さの決まりは無い
手動開放装置壁なら床から80cm〜1.5m、天井から吊るなら床からおおむね1.8m。使い方を見やすく表示
排煙口のふた普段は閉じていて、手動・煙感知器連動・遠隔操作で開く。開いたとき気流で閉まらないもの
自然排煙(窓)直接外気に接する排煙口の面積が区画の床面積の1/50以上なら、排煙機は要らない
排煙機の能力毎分120㎥以上、かつ区画の床面積1㎡につき毎分1㎥以上2つ以上の区画をまかなうなら、いちばん広い区画の床面積1㎡につき毎分2㎥以上
そのほか排煙機を使う排煙口・風道など煙に触れる部分は不燃材料(自然排煙口は2025年11月から対象外)。電源の要るものは予備電源。排煙口が1つ開いたら排煙機が自動で動く

根拠:建築基準法施行令126条の3第1項、令和7年国土交通省告示995号

2025年11月の改正:排煙に有効な高さ

改正前は、排煙上の無窓居室を判定するときの窓(開けられる部分)は、天井の高さにかかわらず「天井から下へ80cm以内」の部分だけでした。排煙口は「天井から80cm以内」が原則で、天井の高さ3m以上の部屋だけ、告示1436号で「床から2.1m以上、かつ天井の高さの1/2以上」の壁にも付けられました(この特例は2025年11月に削除)。2025年11月1日からは、天井の高さで線の引き方が変わります。

80cm天井の高さ 2.6m以下天井から80cm以内例:天井2.5m1.8m天井の高さ 2.6m超床から1.8m以上例:天井3.6m
排煙上の無窓居室の判定で数える壁の部分(令和7年国土交通省告示992号)。壁の排煙口の位置(995号)も同じ線で、防煙壁が短いと線が動く
  • 天井の高さ2.6m以下:これまでどおり、天井から80cm以内。
  • 天井の高さ2.6m超:床から1.8m以上の部分。天井の高い部屋では、80cmの帯より広く数えられます。
  • どこに使う線か:排煙上の無窓居室の判定(開けられる部分が床面積の1/50以上あるか)と、排煙口を付けてよい位置の両方。排煙口の位置は、上の早見表のとおり防煙壁の長さでも変わります。

考え方の目安煙は天井の下にたまってから、だんだん下へ広がります。天井の高い部屋は煙をためておける高さがあるので、人の背より上(床から1.8m以上)にある窓まで数える、と覚えると線の位置を忘れにくくなります。1.8m+80cm=2.6mなので、境目の2.6mで2本の線がちょうどつながります。

防煙壁(垂れ壁)

防煙区画を区切るのが防煙壁。間仕切壁のほか、天井から50cm以上下に突き出した垂れ壁や梁でもかまいません(梁は2025年11月から条文に明記)。

  • 材料:不燃材料で造るか覆うのが基本。2025年11月から、準耐火構造のものも防煙壁になりました。ただし準耐火構造の場合は、火元の炎が届かないように、下端から床までの高さを居室の床面積に応じて決まった高さ以上にします(340㎡以下で3.0m、460㎡超で5.0mなど。居室の一部だけを区切ったときはその区画の面積で、区画が2室以上にまたがるときは1室とみなして決める)。
  • 風道が貫通するとき:すき間をモルタルなどの不燃材料で埋めます。

根拠:建築基準法施行令126条の2第1項、126条の3第1項7号、令和7年国土交通省告示994号

一級建築士の試験ではこう出る

  • 排煙上の無窓居室:有効な部分で開けられる面積が床面積の1/50未満201720212023
  • 排煙に有効な窓は、天井から80cm以内の部分(天井の高さ2.6m以下の室)201720212023
  • 防煙壁になる垂れ壁は、天井から50cm以上の突出2019
  • ホテルの客室・病院は、準耐火構造の床・壁と防火設備で100㎡以内に区画すれば排煙設備が要らない201820212022
  • 共同住宅の住戸は、同じ区画で200㎡以内なら排煙設備が要らない20182023
  • 地下街の排煙設備を中央管理室で制御・監視するのは、各構えの床面積の合計が1,000㎡超。「ちょうど1,000㎡で必要」は誤り20162022
  • 一時的に興行場として使う用途変更で外れるのは内装制限など2022。排煙設備2023も避難施設2025も外れない

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排煙設備の防煙区画は、床面積何㎡以内ごと?

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防煙区画のどこからでも、排煙口までの水平距離は?

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天井の高さ3mの居室で、排煙上の無窓居室を判定するとき、壁の窓は床からどの高さより上を数える?(2025年11月から)

法規の数字を、
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出典:建築基準法施行令(e-Gov法令検索) 116条の2・126条の2・126条の3、令和7年国土交通省告示992号・994号・995号(国土交通省)、一級建築士試験の過去問。このページは条文の要点をまとめたものです。実際の設計では、条文・告示と所管の行政庁の取り扱いを確かめてください。
更新:2026年10月25日

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