1級建築士スワイプ法規の解説試験に出る作品

建築基準法|防火・避難

内装制限とは?
かかる建物と仕上げを1枚の図で

内装制限は、火事のときに壁と天井の仕上げが燃え広がって逃げ遅れないように、その室内側の仕上げを燃えにくい材料にさせる決まり。原則は、居室は難燃材料以上、そこから地上へ逃げる廊下・階段は準不燃材料以上。かかる建物・部屋は建築基準法35条の2と施行令128条の3の2・128条の4、仕上げは128条の5が決めています。

居室廊下階段1.2m居室の壁・天井難燃材料以上床から1.2m以下の壁は除く廊下・階段の壁・天井準不燃材料以上床から天井まで全部居室の床から1.2m以下の壁内装制限の対象外床は、居室も廊下も対象外
内装制限の基本(特殊建築物・大規模建築物の居室と通路の模式図)。赤い面が制限のかかる仕上げ。地階・無窓居室・自動車車庫・火気使用室は、部屋の中も準不燃材料以上

かかる建物・部屋と仕上げの早見表

対象居室地上へ通じる廊下・階段
特殊建築物法別表第一(1)(2)(4)項の用途だけ(劇場・病院・ホテル・共同住宅・百貨店・飲食店など)。規模は下の表難燃以上3階以上に居室がある建物は、居室の天井を準不燃準不燃以上
大規模な建築物階数3以上で延べ500㎡超、階数2で1,000㎡超、階数1で3,000㎡超。学校等を除く難燃以上準不燃以上
自動車車庫・自動車修理工場その用途の部分を準不燃以上規模にかかわらず準不燃以上
地階の居室劇場・病院・ホテル・店舗・飲食店などの用途。規模にかかわらず準不燃以上準不燃以上
無窓居室内装制限の無窓居室準不燃以上準不燃以上
火気使用室台所・浴室・ボイラー室など。住宅は2階建て以上の最上階以外だけ。耐火構造(特定主要構造部)の建物は除くその室を準不燃以上—

根拠:建築基準法35条の2、施行令128条の4(かかる建物)、128条の5第1〜6項(仕上げ)。「難燃以上」は難燃材料・準不燃材料・不燃材料のどれでもよい。対象は壁と天井(天井が無ければ屋根)の室内に面する部分で、回り縁・窓台などは除く。居室の壁の床から1.2m以下を除くのは、128条の4第1項1号の特殊建築物(劇場・病院・物販店など)と大規模建築物の居室だけ(128条の5第1項・4項)。地階・無窓居室・車庫・火気使用室は壁を床から全部。

見分け方ふつうの居室は難燃。そこから逃げる廊下・階段は1段きびしい準不燃。逃げにくい地階・無窓居室と、火が出やすい車庫・火気使用室は、部屋の中も準不燃。

難燃材料・準不燃材料・不燃材料

3つの材料は、火事の熱を加えたときに耐えられる時間で分かれます。長く耐えるほうが上で、上の材料は下の材料の代わりに使えます。

材料火熱に耐える時間(燃えない・変形しない・有害な煙を出さない)
不燃材料20分間
準不燃材料10分間
難燃材料5分間

根拠:建築基準法2条9号、施行令1条5号・6号、108条の2(燃焼しない・有害な変形などをしない・避難上有害な煙やガスを出さない。外部の仕上げは前の2つ)。どれも国土交通大臣が定めたものか、大臣の認定を受けたもの。

特殊建築物:用途と規模

特殊建築物として内装制限がかかるのは、法別表第一(1)(2)(4)項の用途だけです。次の用途で、建物の構造ごとに決まった規模になるとかかります。規模は「以上」で数えます。学校・図書館・倉庫などは、特殊建築物としては対象外です(図書館などは大規模の決まりで判断)。

用途耐火構造など※準耐火建築物(上以外)その他
劇場・映画館・集会場など法別表第一(1)項客席400㎡以上客席100㎡以上客席100㎡以上
病院・ホテル・共同住宅など(2)項。診療所は患者の収容施設があるもの。児童福祉施設等を含む3階以上の部分が300㎡以上2階の部分が300㎡以上病院・診療所は2階に患者の収容施設がある場合200㎡以上
百貨店・飲食店・物品販売店など(4)項。公衆浴場・遊技場・料理店などを含む(10㎡以内の店舗は除く)3階以上の部分が1,000㎡以上2階の部分が500㎡以上200㎡以上

※ 特定主要構造部を耐火構造とした建築物(耐火建築物など)と、1時間準耐火基準に適合する準耐火建築物(主要構造部を準耐火構造としたもの)。面積はその用途に使う部分の床面積の合計。根拠:施行令128条の4第1項1号、115条の3

  • 病院・ホテル・共同住宅などで外せる居室:主要構造部を準耐火構造にした建物で、床面積の合計100㎡(共同住宅の住戸は200㎡)以内ごとに準耐火構造の床・壁か防火設備で区画した部分の居室。廊下・階段は外れません。
  • 3階以上に居室がある建物:その用途の居室の天井は、難燃ではなく準不燃材料以上にします(壁は難燃以上のまま)。

大規模な建築物:用途を問わずかかる

用途が特殊建築物でなくても(事務所など)、次の規模の建物には内装制限がかかります。学校等(学校(幼保連携型認定こども園を除く)・体育館・ボーリング場・スキー場・スケート場・水泳場・スポーツの練習場)は除きます。図書館は学校等に入らないので、この規模ならかかります。

階数延べ面積
3以上500㎡超
21,000㎡超
13,000㎡超

根拠:施行令128条の4第2項・3項、128条の5第4項。居室は難燃材料以上(3階以上の天井を準不燃にする決まりは無い)、廊下・階段は準不燃材料以上。

  • 外せる居室:床面積の合計100㎡以内ごとに準耐火構造の床・壁か防火設備(常時閉鎖か、煙感知で閉まる遮煙型)で区画し、特殊建築物の用途に使わない部分の居室で、主要構造部を準耐火構造にした建物の高さ31m以下の部分にあるもの。
  • 病院・ホテル・共同住宅など:高さ31m以下の部分は、この大規模の決まりではなく、上の特殊建築物の決まりで判断します。

地階・無窓居室・自動車車庫:部屋の中も準不燃

  • 自動車車庫・自動車修理工場:規模にかかわらず、その用途の部分と、そこから地上へ通じる主な通路を準不燃材料以上に。
  • 地階の居室:規模にかかわらず、地階(地下工作物の中を含む)に劇場・病院・ホテル・百貨店・飲食店など(法別表第一(1)(2)(4)項)の居室があれば、その居室と、地上へ通じる廊下・階段などを準不燃材料以上に。
  • 無窓居室:次のどちらかに当たる居室(天井の高さ6m超は除く)と、地上へ通じる廊下・階段などを準不燃材料以上に。
    ① 床面積50㎡超で、開けられる窓などの面積が床面積の1/50未満のもの。壁の窓は、天井の高さ2.6m以下なら天井から80cm以内、2.6m超なら床から1.8m以上の部分だけ数える(天井の開口は高さに関係なく数える)。
    ② 温湿度の調整が要る作業室など、用途上やむを得ず、採光の決まり(法28条1項)を満たさない居室。

1.2mの除外は無い地階・無窓居室・自動車車庫は、居室の床から1.2m以下を除く決まりがありません。壁は床から天井まで全部が対象です。

根拠:施行令128条の4第1項2号・3号、128条の3の2、128条の5第2・3・5項、令和7年国土交通省告示992号。①は、告示993号の給気口・排気口を設けると、1/50に代えて告示の方法で出した割合で判定できる(2025年11月から)。線の引き方は排煙設備のページの図と同じ。

火気使用室(台所・浴室など)

下の表の建物で、こんろ・かまど・ストーブ・ボイラーなど火を使う設備や器具を置いた調理室・浴室・乾燥室・ボイラー室・作業室などは、壁と天井を準不燃材料以上にします。居室の1.2mの除外は無く、壁は床から全部が対象です。

1階の台所準不燃材料以上壁は床から天井まで最上階(2階)の台所対象外2階建て住宅の最上階
2階建て住宅の台所。1階は準不燃材料以上(赤)、最上階は内装制限の対象外。耐火構造の建物(特定主要構造部を耐火構造としたもの)なら、どの階でも対象外
建物かかる室
住宅店舗・事務所などとの併用住宅を含む階数2以上の住宅の最上階以外の階にある室平屋・最上階の台所は対象外
住宅以外すべての階の室

どちらも、特定主要構造部を耐火構造とした建物は除く。根拠:施行令128条の4第4項、128条の5第6項

  • こんろまわりを強くして、ほかを木に:こんろ・いろりなど一定の火気使用設備のある室では、設備のまわりを準不燃材料より燃えにくい材料で仕上げれば、それ以外の部分を木材などで仕上げられます(平成21年国土交通省告示225号)。128条の5第1〜5項で準不燃が求められる室(地階・無窓居室・車庫、特殊建築物などの通路など)と、ホテル・旅館・飲食店などの厨房は対象外です(令和2年の改正で一戸建て住宅以外にも広がった)。

居室と通路の違い・床から1.2m以下

  • 居室:128条の4第1項1号の特殊建築物(劇場・病院・物販店など)と大規模建築物の居室は難燃材料以上。この居室に限り、壁の床から1.2m以下の部分は対象外(腰壁を木にできる)。地階・無窓居室・車庫・火気使用室には、この除外はありません。
  • 廊下・階段など:居室から地上へ通じる主な廊下・階段・通路は準不燃材料以上。1.2mの除外は無く、壁は床から天井まで全部が対象。
  • 対象になる面:壁と天井の室内に面する部分。天井が無ければ屋根の室内側。回り縁・窓台などは除く。床は対象外。
  • 天井を準不燃にして、壁を木に:難燃材料が求められる居室では、天井を準不燃材料にすれば、壁を木材・合板・構造用パネル・パーティクルボード・繊維版(パテ下塗りの上に壁紙を張ったものも含む)や難燃材料にしてよい(平成12年建設省告示1439号)。木材などは表面に火が走りやすい溝を設けず、厚さ25mm未満なら、縦(柱・間柱)と横(はり・胴縁など)の下地をそれぞれ1m以内の間隔で組んでそこに取り付けるか、難燃材料の壁に直接張ります(10mm未満は難燃材料の壁に直接張る)。

根拠:施行令128条の5第1項・4項、平成12年建設省告示1439号(令和7年国土交通省告示998号で改正)

緩和と適用除外:スプリンクラー・排煙設備

火事の煙が逃げるのに困る高さまで下りてこない部分は、内装制限がかかりません(施行令128条の5第7項)。どんな部分かは令和2年国土交通省告示251号が決めています。

原則(居室)壁・天井を難燃天井を準不燃にすれば壁は木材でもよいスプリンクラー+天井を準不燃壁は制限なし排煙口スプリンクラー+排煙設備内装制限なし難燃材料以上準不燃材料以上木材など制限なし
同じ居室の4通り。右上は難燃材料が求められる居室だけ(告示1439号)。左下は無窓居室・自動車車庫など・地階の居室・火気使用室には使えない(告示251号)
部分条件
スプリンクラー+排煙設備スプリンクラー設備など自動式の消火設備と、施行令126条の3に合う排煙設備を設けた部分は、内装制限なし
スプリンクラー+天井スプリンクラー設備などを設け、天井を準不燃材料にした部分は、壁の制限なし無窓居室・自動車車庫など・地階の居室・火気使用室は除く
小さく天井の高い居室床面積100㎡以内で天井の高さ3m以上の居室を、間仕切壁か防火設備(スプリンクラーがあれば10分間防火設備)で区画したもの
避難階とその直上階自動火災報知設備と、各部分から道へすぐ出られる屋外への出口などを設けた部分で、延べ面積500㎡以内の建物の部分であり、かつスプリンクラー設備などを設けたもの

根拠:施行令128条の5第7項、令和2年国土交通省告示251号(第1〜4号)。下の2つ(100㎡・避難階)は、劇場など(1)項の用途、病院・診療所(患者の収容施設があるもの)・児童福祉施設等(通所だけのものを除く)、無窓居室、自動車車庫など、地階の居室、火気使用室には使えない。防火設備は遮煙型(施行令112条19項2号の構造)。

2025年11月の改正で変わった点

2025年11月1日に施行された改正(令和7年政令310号と関係告示)で、内装制限に関わるのは次の2つです。かかる建物(128条の4)と仕上げの決まり(128条の5)の本文は変わっていません。

  • 無窓居室の判定:開けられる窓を数える範囲が「天井から80cm以内」だけから、天井の高さ2.6m以下なら天井から80cm以内、2.6m超なら床から1.8m以上に変わりました。あわせて、告示の給気口・排気口を設ければ、1/50に代えて告示の方法で出した割合で判定できるようになりました(128条の3の2、告示992号・993号)。
  • 難燃に準ずる仕上げの追加:これまでの「天井を準不燃材料、壁を木材など」に加えて、天井と壁の一部を木材など・難燃材料で仕上げ、残りを特定準不燃材料で仕上げる方法が加わりました(告示1439号)。特定準不燃材料は告示で決めた材料(特定不燃材料と、平成12年建設省告示1401号の一部の材料)で、大臣認定の準不燃材料は含みません。木材など・難燃材料で仕上げる部分の面積の上限は、床面積・壁の周長・天井の高さ・排煙口などから告示の式で出し、天井は告示で決まる大きさの正方形に区切ったどの部分でも、木材など・難燃材料の部分を4分の1以下にします(令和7年国土交通省告示991号の基準)。

名前の似た別の決まり11階以上の防火区画(200㎡・500㎡)や竪穴区画・避難階段で求められる「壁・天井の仕上げと下地を準不燃材料(不燃材料)で造る」決まりにも、2025年11月から「準ずる措置」が加わりました。準不燃の措置(告示988号。112条8項・14項1号)の例は仕上げを厚さ25mm以上の硬質木片セメント板にすること、不燃の措置(告示989号。112条9項・11項1号、123条1項2号・3項4号=避難階段)の例は仕上げを厚さ21mm以上の強化せっこうボードにすることで、どちらも下地の要件はありません。こちらは施行令112条・123条の決まりで、内装制限(法35条の2)とは別です。

一級建築士の試験ではこう出る

  • 用途を問わず内装制限がかかるのは、階数3以上で延べ面積500㎡超(階数2なら1,000㎡超、階数1なら3,000㎡超)201820212023
  • 病院・老人ホームなど(2)項の用途の高さ31m以下の部分には大規模の決まりがかからず、100㎡以内ごとに区画した居室は外れる2025
  • 耐火建築物の劇場は、客席の床面積400㎡以上で内装制限がかかる2018
  • 屋根と外壁が帆布の簡易な養殖場は、床面積3,000㎡以内(階数1・間仕切壁なしなどの条件つき)なら内装制限がかからない。「5,000㎡」は誤り2026
  • 一時的に興行場として使う用途変更で、特定行政庁の許可で外れるのは内装制限など2022。排煙設備2023も避難施設2025も外れない

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用途を問わず内装制限がかかる建物:階数3以上なら延べ面積は?

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劇場・病院・物販店などの特殊建築物や大規模建築物の居室で、壁の内装制限の対象外になるのは床からどの高さまで?

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内装制限のかかる居室から地上へ通じる廊下・階段の、壁と天井の仕上げは?

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出典:建築基準法施行令(e-Gov法令検索) 1条・108条の2・115条の3・128条の3の2・128条の4・128条の5、建築基準法(e-Gov法令検索)、令和2年国土交通省告示251号(国土交通省)、令和7年10月31日 国住指第322号 技術的助言(国土交通省)、令和7年国土交通省告示988〜998号(国土交通省)、一級建築士試験の過去問。このページは条文の要点をまとめたものです。実際の設計では、条文・告示と所管の行政庁の取り扱いを確かめてください。
更新:2026年10月25日

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