建築基準法|避難
廊下の幅
両側に居室1.6m・片側1.2m
廊下の幅の最低限は、廊下の用途と「両側に居室があるか」で決まる。小・中・高校などの児童・生徒用は両側に居室2.3m以上・その他1.8m以上。病院の患者用、共同住宅の共用廊下(住戸の床面積の合計が100m²を超える階)、居室の床面積の合計が200m²(地階は100m²)を超える階の廊下(3室以下の専用のものを除く)は両側に居室1.6m以上・その他1.2m以上。根拠は建築基準法施行令119条で、かかるのは令117条に当たる建築物だけ。
廊下の幅の早見表
令119条の表は2行だけ。行を決めるのは廊下の用途、列を決めるのは廊下の両側に居室があるか。数字はすべて「以上」。
| 廊下の用途 | 両側に居室 | その他(片側だけなど) |
|---|---|---|
| 学校の児童用・生徒用小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校 | 2.3m | 1.8m |
| 病院の患者用 | 1.6m | 1.2m |
| 共同住宅の共用廊下その階の住戸・住室の床面積の合計が100m²を超える階 | 1.6m | 1.2m |
| 上の3行に当たらない廊下用途を問わない。その階の居室の床面積の合計が200m²(地階は100m²)を超える階。3室以下の専用の廊下を除く | 1.6m | 1.2m |
| どれにも当たらない廊下 | 令119条の数値はないほかの法令・条例の基準は別に確かめる | |
根拠:建築基準法施行令119条(適用の範囲は117条1項)
どの廊下が「1.6m・1.2m」の行に入るか
2行目は、条文では3つの廊下を1つの行にまとめている。どれか1つに当たれば1.6m・1.2m。
- 病院の患者用:患者が使う廊下。条文の言葉は「病院」なので、診療所はこの言葉には入らない(居室の合計200m²の条件で判断する)。
- 共同住宅の共用廊下:その階の住戸(住室)の床面積の合計が100m²を超えるとき。延べ面積ではなく、階ごとに足す。
- そのほかの廊下:その階の居室の床面積の合計が200m²を超えるとき。地階は100m²を超えるとき。ただし3室以下の専用のもの(条文の言葉)は除く。用途は問わないので、事務所・ホテル・店舗のほか、病院の患者用でない廊下や学校の教職員用の廊下もここで判断する。
1行目の学校は、小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校の児童用・生徒用の廊下だけ。大学・専修学校・幼稚園はこの行に名前がないので、2行目(居室の合計200m²など)で判断する。教職員だけが使う廊下も1行目の言葉には入らない。
なぜ廊下は火事のとき階段へ逃げる道になる。両側に居室があれば、両側から人が出てきて同じ廊下に集まるので、片側だけのときより広くとる。学校は一度に大勢の子どもが動くので、ほかの用途より1段広い。
そもそも119条がかかる建築物(令117条)
令119条は施行令5章2節(廊下・避難階段・出入口)の1つで、この節は次のどれかに当たる建築物にだけかかる。どれにも当たらなければ、廊下の幅に119条の数値はない。
- 特殊建築物:法別表第一(い)欄(一)〜(四)項の用途。劇場・映画館・集会場など、病院・診療所(患者の収容施設があるもの)・ホテル・旅館・共同住宅・寄宿舎・児童福祉施設等など、学校・体育館・図書館など、百貨店・マーケット・飲食店・物品販売業を営む店舗(床面積10m²以内を除く)など。令117条は(い)欄の用途だけを見るので、床面積が小さくてもこの用途ならかかる。
- 階数が3以上の建築物
- 採光の窓が足りない居室がある階:採光に有効な部分の面積の合計が床面積の1/20以上の窓その他の開口部がない居室(令116条の2第1項1号)を持つ階。ここだけ条文の言葉は「建築物」でなく「階」。
- 延べ面積が1,000m²を超える建築物。ちょうど1,000m²は入らない。
開口部のない耐火構造の床・壁で区画した部分などは、この節では別の建築物とみなす(令117条2項)。延べ面積1,000m²を超えるかなどは、分けた部分ごとに見ることになる。
同じ節の歩行距離・2以上の直通階段も、この適用の範囲は同じ。
根拠:建築基準法施行令117条1項・2項、116条の2第1項1号、115条の3、建築基準法別表第一
間違えやすい所:「両側に居室」と幅の測り方
- 「両側に居室」とは:条文の言葉は「両側に居室がある廊下」だけ。大田区の取扱いでは、廊下をはさむ両側の居室の出入口がその廊下に面しているものとしている。居室は「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」(法2条4号)なので、片側が便所・倉庫だけなら、この言葉どおりなら「その他」の列になる。
- 1.6mの区間はどこまでか:大阪市の取扱いでは、両側に居室がある廊下の部分から、その階の1以上の階段に至る部分まで1.6mを確保すればよいとしている(大田区の取扱いも、両側に居室がある廊下の幅を階段まで確保するとしている)。両側に居室がある区間だけでなく、そこから階段までの道すじ1本も1.6mのままにする、ということ。
- 幅の測り方:条文は「廊下の幅」としか書いておらず、測る位置や手すり・柱の出っ張りの扱いは書いていない。大阪市の取扱いは「有効幅員」と呼び、廊下にやむを得ず扉を設けるときは、その扉の幅にも119条の幅以上の有効寸法が要るとしている。出っ張りの扱いは、確認申請先(特定行政庁・指定確認検査機関)の取扱いで確かめる。
根拠:建築基準法施行令119条、建築基準法2条4号、大阪市建築基準法取扱い 2-21、大田区 建築基準法の取扱い 01-01-06
一級建築士の試験ではこう出る
- 病院・共同住宅などの廊下で、両側に居室があるときの幅は1.6m以上。片側だけなら1.2m以上。病院は患者用の廊下、共同住宅は住戸の床面積の合計が100m²を超える階の共用廊下が対象20152018
確かめる
住戸の床面積の合計が100m²を超える階で、両側に住戸がある共同住宅の共用廊下の幅は、最低何m?
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中学校の生徒用の廊下で、片側だけに教室があるとき、幅は最低何m?
確かめる
令119条(廊下の幅)の適用の範囲(令117条)に入らないのは?
法規の数字を、
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一級建築士の学科に出る法規の数字を、4択でくり返し解けます。間違えたものは、あとでもう一度出てきます。まずは10問で、いまの予測スコアを。
10問で予測スコアを出す(無料)出典:建築基準法施行令(e-Gov法令検索) 119条・117条・116条の2・115条の3、建築基準法 別表第一(e-Gov法令検索)、大阪市建築基準法取扱い 2-21 廊下の幅(大阪市)、建築基準法の取扱い 01-01-06 廊下の幅員(大田区)、一級建築士試験の過去問。このページは条文の要点をまとめたものです。実際の設計では、条文・告示と所管の行政庁の取り扱いを確かめてください。
更新:2026年10月25日
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